江口寿史展
EGUCHI in ASIA
2024/11/09(土) 〜 2025/01/12(日)
福岡アジア美術館
日程
2020/04/07(火) 〜 2020/06/07(日)
会場 山口県立美術館 |
※新型コロナウイルスの感染予防対策のため臨時休館中です。
最新情報については公式サイトをご確認ください。
北欧の柔らかな光が射し込む静まり返った室内―開け放たれた扉、控えめで上品な家具調度、後ろ向きの女性―。
描かれているのは、画家の自宅の居間や寝室ですが、生活の痕跡は慎重に消し去られており、音と光が閉じ込められた静謐な世界では、時の流れも止まっているかのようです。17世紀オランダ風俗画の影響が認められることから “北欧のフェルメール” とも呼ばれるデンマークの画家ヴィルヘルム・ハマスホイ(1864-1916)の作品は、西洋美術の古典を想起させる空気を纏いつつ、近代の都市生活者特有の、ある種の郷愁を感じさせます。
ハマスホイが活動したのは、西洋美術が華々しく展開した1900年前後の十数年間でした。印象派に続いてポスト印象派が登場し、象徴主義、キュビスム、表現主義など新しい芸術が次々に生まれました。そうしたメインストリームの “喧噪” から離れて、ハマスホイは独自の絵画を追求し、古いアパートや古い街並み、古い家具など、時間が降り積もった場所やモティーフを静かに描き続けました。きらびやかな世紀末美術の中で、寡黙なハマスホイの作品はひときわ異彩を放っています。
没後、一時は時代遅れの画家と見なされ、忘れられたハマスホイ。その美しく調和した色彩と繊細な光の描写、ミニマルな構成は、画家の慎み深さと、洗練されたモダンな感性を示しています。
欧米の主要な美術館が続々と作品をコレクションに加えるなど、近年、ハマスホイの評価は世界的に高まり続けています。日本でも2008年にはじめての展覧会が開催され、それまでほぼ無名の画家だったにもかかわらず、多くの美術ファンを魅了しました。
静かなる衝撃から10年余り。日本ではじめての本格的な紹介となる19世紀デンマークの名画とともに、ハマスホイの珠玉の作品が再び来日します。
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