
開館25周年記念
珍獣、瑞獣、怪獣! ―シンボルの造形美
2025/06/07(土) 〜 2025/07/21(月)
10:00 〜 17:00
出光美術館(門司)
アルトネ編集部 2025/07/03 |
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身近で愛らしい鳥獣や、畏怖を抱かせる空想上の動物たち。美術作品には沢山の動植物が溢れています。そうした生き物たちは作品を豊かに飾る造形であると共に、平和や富貴、権威、魔除けなど、人々の想いを具象化させた象徴としても描かれました。出光美術館(門司)の開館25周年記念展の第2弾となる「珍獣、瑞獣、怪獣! ―シンボルの造形美」が開催中です。
第1章の「聖なる動物たち」では、宇宙の神秘や不可思議な自然現象などを表現するため描かれてきた空想上の動物たちを紹介。儀礼や権威を示す種々の道具には、その様子が色濃く反映されています。そして、第2章の「楽園・怪異に暮らす獣」では江戸時代に描かれた絵画作品を中心に、さまざまな動物たちを紹介します。こちらの章には伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」が展示されています。若冲作品のなかでも特に人気が高い屏風です。この作品を見るためだけに門司まで訪れる価値がありますね。数万のマス目で様々な動物が描かれていますが、本当に愛らしくまた現代的なデザインセンスも感じさせます。
第3章 「やきものを彩る象徴(シンボル)」は明清時代の景徳鎮窯を中心に、日本・中国のやきものの中に表された龍や麒麟、人魚などの一風変わった動物たちが紹介されています。写真は大正時代の陶芸作家・板谷波山による≪葆光彩磁瑞花鳳凰紋様花瓶≫を紹介していますが描かれているのは瑞獣(中国の伝説に登場する、めでたいことの前兆とされる想像上の動物)の鳳凰です。
第4章「古代のうつわに潜む姿」では、古代中国の商(殷)・周王朝で宗教儀式や王権の象徴として極めて重要な役割を果たしていた青銅器を展示しています。それらは祖先崇拝や当時の思想に根ざした精神文化の具現であり、単なる道具を超えた、歴史を物語る造形美といえます。そして、その中には神獣や怪獣が潜んでいます。
そのなかでも、とても愛らしい形状なのが「鴟鶚卣」。(中国 商(殷)時代後期の作品といわれるこの青銅器・どこかで見たことがあるような…そう、キングダムの河了貂のコスチュームに似てませんか?
※編集部の個人的な意見です。
ひとつひとつが素晴らしい美術品であるとともに長い歴史の中で想像力を大きく広げることに活躍してきた「空想上の動物たち」。大人はもちろん、子どもも楽しめる展覧会です。ぜひご覧ください。
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