江口寿史展
EGUCHI in ASIA
2024/11/09(土) 〜 2025/01/12(日)
福岡アジア美術館
秋吉真由美 2020/11/05 |
福岡市博物館(福岡市早良区)で、「福岡市博物館開館30周年記念展 ふくおかの名宝-城と人とまち-」が開催中です。
これまでに同館が収集した収蔵品は17万件以上。今回の展示では、その中から厳選した107件の“ふくおかの名宝”が並びます。国指定文化財をはじめ、福岡を象徴する技術や文化遺産など、福岡を歴史を知ることができる品が一堂に堪能できます。
選りすぐりの名宝が集結
福岡藩主・黒田家に伝来した名刀がお目見え。毎年、期間限定で公開する「刀 名物『圧切長谷部』」(国宝)と「太刀 名物『日光一文字』」(国宝)が2口揃いで展示されています。
織田信長が黒田孝高(黒田官兵衛・如水)に褒美として与えた刀である「圧切長谷部」の重厚さは圧巻。ゲームやアニメ、舞台でも人気の「刀剣乱舞」ファンも注目です。
そのほか、黒田家にまつわる品がずらり。
長政が若い頃に着用したとされる兜。
慶長5(1600)年、関ヶ原合戦を前に徳川家康が黒田長政に授けた兜。
長政が関ヶ原合戦で着用した甲冑。
博多松ばやしに山笠、身近な文化財も
福岡の歴史の中で長年培ってきた技術や産業や、博多松ばやしや博多祇園山笠、放生会にまつわる品など、身近な文化財も興味深いです。
貞享3(1686)年の博多祇園山笠を描いた現存最古の山笠巡行図。躍動感があり、町の活気も感じられます。
こちらは福岡・博多を描く「福岡図巻」。放生会でにぎわう箱崎松原が描かれています。
現在の放生会は出店が並ぶスタイルですが、当時は参拝に合わせて、幕を張った松原で酒宴を楽しんでいたそうです。
博多の文人・奥村玉蘭(おくむら・ぎょくらん)が筑前国内の名所や祭礼を紹介する「筑前名所図会」。
博多どんたくのルーツである松ばやしの様子が描かれています。
先人たちが残した“遺産”
信長や秀吉、千利休らと親交のあった博多の豪商茶人・嶋井宗室(しまい・そうしつ)。千利休が宗室に宛てた自筆の書状には、博多に戻った宗室に再会を心待ちにしていることなどが綴られています。
博多の豪商・神屋宗湛(かみや・そうたん)が所持した唐物茶入「銘 『博多文琳(ぶんりん)』 盆付」。
秀吉や長政の譲ってほしいという求めにも応じませんでしたが、ついに寛永元(1624)年、2代藩主黒田忠之に召し上げられました。
その際、引き換えに忠之が宗湛に与えたものを示す「黒田忠之判物」。
長政の遺言として那賀郡住吉村の内で知行500石、黄金1,000両を、さらに忠之からの褒美として1,000両を宗湛に与えたそうです。
続いては、博多を代表する博多人形師・小島與一(こじま・よいち)が、駆け出しのころにのちの妻・ひろ子をモデルに手がけた博多人形「初袷(はつあわせ)」。
與一を温かく見守る優しい表情そのままです。
「オッペケペ節」で知られる川上音二郎が描かれた錦絵「中村座大当書生演劇」や、博多曲物、博多鋏(ばさみ)、博多張子、献上博多織・女帯などが並びます。
このほかにも、まだまだ“ふくおかの名宝”が紹介されている同展。選りすぐりの収蔵品が一堂にそろう貴重な機会です。どうぞお見逃しなく。
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