江口寿史展
EGUCHI in ASIA
2024/11/09(土) 〜 2025/01/12(日)
福岡アジア美術館
木下貴子 2022/09/04 |
福岡を拠点に、全国的に活躍しているイラストレータ、ABEchan。後編では、制作スタイルや手法を中心に、その魅力に迫ります!前編はこちらからどうぞ。
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デザイナーからイラストレーターへと転換するきっかけとなったのは「オリジナリティへの追求」。これは、今も変わらず根底にある。鈴木英人、江口寿史、YU NAGABA、Noritakeといった日本のアーティストやイラストレーター、さらにはアンディー・ウォーホールやロイ・リキテンスタインといったアメリカのポップ・アートの巨匠たちから刺激を受けたというABEchan。「僕の好きなアーティストたちの表現を、自分なりにアレンジしていったという感じです。彼らの表現はそれぞれに違っていて、僕がそれぞれに好きな部分を自分の中に取り込んで混ぜていくような……それこそが、僕のオリジナリティになるのかもしれません」と考える。
イラストは、人物、背景、色の順に描いていく。デザインソフトを使って描くが、ペン入れだけはずっと手描きのアナログ手法のままやっている。「手描きの方が、やっぱり『描いている感』があってすごく楽しいんですよ。それに、線というものが好きで、どうやったら綺麗になるんだろうとか、そういったことを模索しながらずっと手描きで頑張っています」。
「最近は忙しくなってなかなか描けませんが、でもできる限り週1回は作品を作りたいですね」というABEchanの、メインとなる発表の場はInstagram。そこで表現するのは、「自分がより好きなこと」とABEchan。コーヒー、80年代90年代のカルチャーなどをテーマに描いていっている。
人物はとくに女性が多いが、そこに描かれるのはいわゆる「可愛い」笑顔をした女性ではなく、どこか冷めたような表情をした女性。全体的なポップなイメージとのギャップが印象的で面白い。「女性を描くのは、やっぱり華があるし見た目のインパクトや美しさが大きいからなんですが、その中でも、女性の中にある逞しさや勇敢さを見せたいと思って。それもあって、表情も何を考えているんだろうというようなクールなものが多いのかなと、自分でも感じますね」。
80年代90年代に対しては、「爽やかな印象」を覚えると話す。「昔のテレビCMをネットで見るのが最近のマイブームになっているんですが、色使いとかがとても好きなんです。いまのように便利な時代ではありませんが、明るい未来を目指し、キラキラしたイメージを僕は感じます」。ファッションしかり、音楽しかり、イメージしかり。この時代のカルチャーからインスピレーションを受けつつも、「でも作品が古くならないよう、新しさは常に出していきたいと、強く思っています」。若い世代にとっては新鮮なもの、上の世代には懐かしくありつつも自分たちが実際に見てきたものとは違う世界観。だからこそ、冒頭でも触れたように、世代を超えて多くの人がABEchanの作品に惹きつけられるのだろう。
今回、ARTNE STORE ONLINEのオリジナルグッズ用に、新作を描き下ろしてくれた。「福岡感をほどよく入れつつ、希望をもって前に進んでいるような、芯が強い女性をうまく表現したかった」と話す。背景に描かれた福岡タワーはもちろんだが、空を飛ぶ飛行機も印象的だ。「福岡ってすごく近くに飛行機が飛んでいて、そのイメージですね。最初は入れる予定はなかったんですが、入れてみるとこの方が福岡らしいなって」とABEchan。とはいえ、福岡だけでなくいろんな人に届けたいという思いもあり、あえて「福岡」や「Fukuoka」のようにわかりやすい文字は使われていない。
このグッズをはじめ、ABEchanの作品もARTNE STORE ONLINEにて購入できる。
今後の目標は、ニューヨークに呼ばれて作品が発表されること。全国展開しながら、海外にも行けるよう、日々イラストを描き続けていきたいと話す。日々、新作を描き、活動を広げ、ますます勢いづくABEchan。これからさらに福岡の街、いや全国の街中でその作品を目にする機会が増えていくことだろう。
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プロフィール
福岡在住のイラストレーターABEchan。
ポップアート、美人画、 80s〜90s、映画、COFFEE、喫茶店、音楽など、自ら影響を受けた様々なカルチャーをテーマに、手描きでのペン入れ、その後にグラフィック表現を施した作品をSNSにて更新。ニューヨークで個展開けるように日々奮闘中。
公式Instagram
https://www.instagram.com/freedom_of_creation/?hl=ja
2024/11/09(土) 〜 2025/01/12(日)
福岡アジア美術館
2025/01/21(火) 〜 2025/05/11(日)
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