
九州国立博物館開館20周年記念
特別展 九州の国宝 きゅーはくのたから
2025/07/05(土) 〜 2025/08/31(日)
09:30 〜 17:00
九州国立博物館
2025/07/25 |
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九州国立博物館(九博)で開催中の特別展「九州の国宝 きゅーはくのたから」で、福岡県久留米市出身の俳優、高野洸さん(27)が音声ガイドに初挑戦しました。俳優業で培った経験を生かして臨んだエピソードや自分にとっての〝国宝〟についても伺いました。
-展覧会の音声ガイドは初体験ですね。意識したことは?
★高野 一番心がけたのは原稿を読むテンポでした。展示品の説明で特に大切だと思うところはちょっとゆっくりめに、ある程度みんなが分かっているところは少し早く読んだり、と自分なりの工夫をしました。
-舞台やテレビドラマで役を演じる時とは違いましたか?
★高野 基本は同じだと思います。展示品を見ている人、音声ガイドを聞いている人を思い浮べて語りかけました。展覧会の雰囲気に合わせて、聞く人に寄り添ってナビゲートできたらいいなと考えながら。
-国宝を始め、文化財の展覧会特有の難しさがあったのでは。
★高野 そうですね。古墳一つ取っても、地名プラス古墳の名前で結構長めのものがあったり、人名でも読み方が難しいものもあったり。あと正しいイントネーションも。勉強しながら読ませてもらいました。
-九博は久留米の小学生時代、訪問したことがあるそうですね。
★高野 たしか4年生の時、学校行事で行きました。子どもも楽しめる体験型展示室「あじっぱ」がお気に入りでした。アジア各地の玩具がいっぱいあって、いろんな触れ合い方ができました。縄文人のうんこの化石もあって、びっくりしました。
-特別展「九州の国宝 きゅーはくのたから」は国宝を始め、貴重な文化財が並んでいます。特に気になった展示品は?
★高野 「フリーメイソン螺鈿(らでん)箱」です。キラキラした螺鈿細工にひかれます。個性的なデザインも見ていて飽きません。「鬼瓦」も説明文を読んで歴史を知り、好きになっていきました。はにわたちもかわいいですね。たぶん動物をもっとリアルに作ろうと思えばできたのでしょうが、あえてデフォルメしてこんなフォルムにしたアイデアが印象に残ります。特別展の展示品はどれを取っても楽しく学べるものばかりだと思います。
-高野さんといえば、ミュージカル「刀剣乱舞」への出演で知られていますが、特別展には9口の名刀も並んでいます。
★高野 「刀剣乱舞」には膝丸役で出ています。リアルな刀剣の膝丸は源氏に継承されたものですが、さすがに今回の展示にはありません。それでも「太刀 名物日光一文字」などの国宝も鑑賞できます。こうしたお宝たちが、日本の歴史に興味を持つきっかけにもなりそうですね。
-高野さん自身の〝国宝〟は何ですか?
★高野 カードゲームのカードです。10万枚は超えているんじゃないでしょうか。一枚一枚が大切なものです。傷がついているものもあって価値が落ちるんですが、その傷にも自分の思い出が染み付いているんです。久留米にいる時に、父と「ドラゴンボール」のカードでよく遊んだんですが、この前自宅に戻ったとき倉庫にしまわれていたカードを見せてもらったんですよ。当時の記憶がよみがえって、自分の「カード愛」を再認識しました。結局ファイル1冊分を東京に持って帰りました。カードは家が火事になっても、絶対に持ち出して守りたいですね。
-9月13、14日には久留米シティプラザである舞台『WAR BRIDE ーアメリカと日本の架け橋 桂子・ハーンー』に出演します。
★高野 敗戦後に米国の軍人と結婚した日本人女性の半生を描いたものです。戦場ジャーナリスト役を務めますが、平和への思いが詰まったこの作品のメッセージを伝える役目を果たしたいですね。
-地元での公演だけに力が入るのでは?
★高野 ライブツアーも舞台公演も福岡市止まり。久留米で舞台をやりたいと思っていたんですよ。夢がかないます。応援してくれる友達も駆けつけてくれる予定で、本当に楽しみです。
(写真と文・塩田芳久)
▼たかの・あきら 1997年生まれ。2009年、NHK「天才てれびくんMAX」内のユニット「Dream5」にオーディションで選ばれる。14年、妖怪ウオッチ「ようかい体操第一」で紅白歌合戦に出場。19年にソロCDデビュー。23年には舞台「キングダム」で主演を務めるなど、俳優として活躍する。今年、くるめふるさと大使に就任。
▼特別展「九州の国宝 きゅーはくのたから」 8月31日まで、福岡県太宰府市の九州国立博物館。開館20周年を記念し、九州・沖縄にゆかりの国宝25件(60点以上)などが並ぶ。観覧料は一般2000円、高大生1000円、中学生以下無料。音声ガイドの貸し出しは1台650円。ハローダイヤル=050(5542)8600(午前9時~午後8時)。
=(7月19日付西日本新聞朝刊に掲載)=
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