久留米市美術館開館10周年記念展
美の新地平―石橋財団アーティゾン美術館のいま
2026/02/14(土) 〜 2026/05/24(日)
10:00 〜 17:00
久留米市美術館
| 2026/05/08 |
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久留米市美術館の開館10周年を記念して、石橋財団アーティゾン美術館の新収蔵品を中心とした、「美の新地平 石橋財団アーティゾン美術館のいま」を開催中です。
印象派や日本近代洋画など、ブリヂストン美術館の伝統を引き継ぎながら、現代美術や女性作家、日本近世美術の収集にも力を注ぎ、コレクションの幅を広げ続けているアーティゾン美術館。
時代と国境を超えたアーティゾン美術館の「いま」を伝える名品約80点をご紹介します。
本連載では、久留米市美術館の森智志学芸員から、3回にわたって見どころを紹介していただきます。
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尾形光琳《孔雀立葵図屛風》
「美の新地平」展では、会期中に日本画のみ展示替えを行い、現在の後期展示では、尾形光琳《孔雀立葵図屛風》(重要文化財)を展示しています。大胆な意匠化と装飾美を特徴的とする「琳派」の様式を顕著に示す、光琳の代表作の一つです。
琳派という流派は、直接の師弟関係によらず、先人の作品に学ぶ「私淑」という独自の継承方法によって、時代や場所を変えながら受け継がれてきました。光琳も俵屋宗達の作品から学びながら、自らの画風を確立していきました。
《孔雀立葵図屛風》は、かつて衝立の表裏でしたが、1957年に現在のように一対の屛風に改装されました。しかし、それ以前の状態について屏風や襖であったとする説もあり、オリジナルの形態は分かっていません。
左隻(向かって左)には、光琳が好んでよく描いた立葵が縦方向に茎をのばし、垂直方向への視線が意識されています。花や葉は細部を省略した色の面として処理されており、金地を背景とした赤、白、緑の色彩対比が装飾的な効果を生み出しています。
右隻には二羽の孔雀。画面右上から中央にかけて、羽を大きく広げた一羽を囲むように梅の樹幹が伸びており、その大胆な造形に目を奪われます。また、幹の色を注意深く観察すると、茶色の地に墨や緑青でのたらし込みが施されていることも確認できます。一方で孔雀は、梅の樹幹と対照的に、柔らかな曲線を多用したフォルムで描かれており、硬くなりそうな構図をまとめ上げる役割を果たしています。そして、雄孔雀が広げた羽をくねらせることで動きを出し、羽弁を金線と墨線を交互に引くことで表現するなど細部まで描き込まれています。
右隻には、宮廷から与えられた称号「法橋」の署名があり、左隻には「法橋光琳」の署名と「方祝」の朱文円印が確認できます。方祝は光琳が晩年に用いたとされる名前です。光琳が没したのは59歳であるため50代半ばの制作と考えられています。
森智志(久留米市美術館)
[展覧会情報] ーーーーーーーーー
久留米市美術館開館10周年記念展
美の新地平―石橋財団アーティゾン美術館のいま
【日 程】2026/02/14(土) 〜 2026/05/24(日)
【時 間】10:00 〜 17:00 (入館は16:30まで)
【休館日】月曜休館(2月23日・5月4日は開館)
【会 場】久留米市美術館
【料 金】一般1,500円(1300円)、シニア1,200円(1,000円)、
大学生以下無料 ※( )内は15名以上の団体料金
【主 催】久留米市美術館、西日本新聞社、読売新聞社、TVQ九州放送
【H P】https://www.ishibashi-bunka.jp/kcam/
【問合せ】TEL 0942-39-1131(久留米市美術館)
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