江口寿史展
EGUCHI in ASIA
2024/11/09(土) 〜 2025/01/12(日)
福岡アジア美術館
2020/03/08 |
※本展は2/29に終了しました
米国で3年3カ月かけて完成させた「誕生」をひっさげ、故郷の佐賀県立美術館で回顧展を開催した2017年。実は苦しんでいた。脚光を浴びることに慣れていない上、制作の疲れもあり「今思えばよく立っていられた」と振り返る。
それにも増して、感激していたともいう。母校佐賀北高の恩師が、行政や報道に携わる教え子のネットワークを生かし、佐賀県内の各小中学校に回顧展を案内していたのだ。連日、美術館には子どもたちを乗せたバス。それまで「あまり強く意識していなかった」故郷の温かさがしみた。
13年に米国へ移住して7年。その間、東日本大震災を受け「描かなければ」と取り組んだ「誕生」は、震災にまつわるイメージをちりばめている。画面全体を構成する巨樹は波に耐える姿だ。回顧展後、この大作を地元佐賀県は1億3200万円で購入した。
内なるイメージを「1日に10センチ四方が限界」という精密なペン画に託し、スケールの大きな世界を現出する。画風と世界観は評価を高め続けている。今年は、全国各地で造仏活動をした江戸時代の僧円空の名を冠した岐阜県など主催の賞も受賞した。
本人は「海外でたくさん描いた実績もない。もっとびっくりさせる作品を描きたい」と次のステップを展望する。絵で向き合いたいのは災害だけではなく、気候の温暖化や、プラスチックによる海洋汚染といった地球規模の環境問題だ。
「人間と自然の関わりをテーマとする以上、避けては通れない」
福岡市・天神の三菱地所アルティアムで開催していた「数寄景/NEW VIEW」で、クマやサイといった動物を描いたシリーズが紹介されていた。中でもキリンは利き腕の右腕を負傷した際に左手で描き「まだ行ける、と励まされた」作品という。佐賀県多久市出身、米国在住の46歳。
(諏訪部真)=2月28日付西日本新聞朝刊に掲載=
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