江口寿史展
EGUCHI in ASIA
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福岡アジア美術館
2020/04/08 |
墜落した飛行船か、山に乗り上げたトラックか―。その大きさと造形の不思議さは想像を超えている。佐賀市大和町の「巨石パーク」には、そんな巨大自然石が17基も点在している。徐福伝説を秘めた近くの金立山(きんりゅうざん)(標高501・7メートル)と合わせ、初夏の登山旅行にお薦めだ。
巨石パークは川上峡に面した下田山の山域全体に広がる。パークとはいっても、急な登りや岩場、沢渡りもある立派な登山だ。標高200~350メートルに散らばった巨石を全て巡るルートは約5キロ、片道1時間半かかる。
上部がとがった烏帽子(えぼし)石、神様の船と言われる御舟石、頭をもたげたカエルのような蛙(かえる)石。どれも長さが7~10メートルはあり、古代から石神様と呼ばれて信仰の対象になってきた。登山道を歩くとそんな不思議な自然の奇岩が次々に現れ、飽きない。まるで大自然のテーマパークだ。
巨石パークから東へ3キロ。秦の始皇帝の命を受け、不老不死の霊薬を求めて日本に渡ったとされる徐福ゆかりの金立山がそそり立つ。
徐福は古代中国で占いや錬金術を行った方士だった。史記によると「大船団を率いて東の海のかなたを目指し、平原広沢の地にたどり着いた」とあり、日本に上陸したことはほぼ間違いない。上陸伝説は全国にあるが、出港した浙江省と地理的に近い佐賀は、その最有力地だ。
金立山には徐福を神として祭る金立神社が立つ。麓には豊富な資料を展示する徐福長寿館、中腹には美しい吹上観音磨崖仏もあり、見どころ豊富だ。 (三村龍一)=4月2日付西日本新聞朝刊に掲載=
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