九州、山口エリアの展覧会情報&
アートカルチャーWEBマガジン

ARTNE ›  EVENT ›  極彩色の立石大河亞

2025年度常設展示

極彩色の立石大河亞

日程  2025/04/01(火) 〜 2026/03/29(日)
会場 田川市美術館
LINE はてなブックマーク facebook Twitter

田川市美術館2025年度の常設展示は「通年」で開催されます。
今年度は田川市出身の美術家、立石大河亞(1941-1998)を特集。田川市では初公開となる作品を含め、3期に分けて紹介されます。
 

絵画、陶彫、マンガ、絵本、イラストなどのジャンルを縦横無尽に横断しながら独創的な世界を展開した立石大河亞(1941-98)。立石は1941年、福岡県田川市(当時伊田町)生まれ。大学進学のために上京後、1963年の読売アンデパンダン展でデビュー(「立石紘一」名義)。翌年には中村宏(1932-)と「観光芸術研究所」を設立。時代や社会を象徴する人物やイメージなどを多彩に引用して描かれたその作品は、和製ポップ・アートのさきがけとして注目を集めました。1965年からは漫画も描きはじめ、「タイガー立石」のペンネームで雑誌や新聞にナンセンス漫画の連載をもつまでになります。60年代末から多くの子どもたちが口にした「ニャロメ!」という言葉は赤塚不二夫(1935-2008)と交流があった立石の造語でした。しかし、マンガ家として活動が多忙になった1969年3月に、立石は突如としてミラノへ移住。そこから延べ13年にわたるミラノ時代は、マンガからヒントを得たコマ割り絵画を精力的に制作する一方、デザイナーや建築家とのコラボレーションで数多くのイラストやデザイン、宣伝広告などを手がけていきました。イラストレーターとしての活動が多忙になってきた立石は再び環境を変えるため1982年に帰国。85年から千葉・市原を拠点に活動します。90年以降は絵画や陶彫作品を「立石大河亞」、マンガや絵本を「タイガー立石」の名義で発表していきました。立石の作品はどの時期のものであっても、さまざまなできごとや観念が地層のようにつみ重なっています。このため、「見る」だけではなく「読む」ことによって、作者がつくり出した世界だけでなく、わたしたちの思考の回路も多次元にひろがるかのようです。
立石が少年期を過ごした頃の筑豊は石炭に需要のあった終期にあたり、田川にもまだ多くの娯楽が残っていました。劇場や映画館で大衆演劇や極彩色のディズニーアニメを、神社の境内でサーカスや見世物を夢中で見ていた立石少年。図書館では美術全集を読破、田河水泡の「のらくろ」や杉浦茂のナンセンスギャグ漫画、手塚治虫のSF漫画などを愛読し、竪坑、巨大煙突、ボタ山、石炭を運ぶ蒸気機関車など炭鉱町独特の景色を眺めながら様々な空想にふける日々を送っていたといいます。多感な少年時代を過ごした田川の独特な風土とダイナミックな社会性、雑多な文化環境が表現者としての基礎を作り、その「大地の記憶」が創造力のひとつの源泉となっていたことは疑いないでしょう。

詳しくはこちら

他の展覧会・イベントを見る

おすすめイベント

RECOMMENDED EVENT
Thumb mini 5435848923

特別展「若冲、琳派、京の美術ーきらめきの細見コレクションー

2026/04/21(火) 〜 2026/06/14(日)
九州国立博物館

Thumb mini 774a132be2

特別展 大恐竜展 ~「フクイ」から探る獣脚類の進化~

2026/04/24(金) 〜 2026/06/28(日)
福岡市博物館

Thumb mini 7ef2333063

小磯良平展ー幻の名作《日本髪の娘》

2026/04/18(土) 〜 2026/06/21(日)
福岡市美術館

Thumb mini c38977284b
終了しました

コレクション展Ⅲ 特集 没後5年 菊畑茂久馬

2026/01/31(土) 〜 2026/05/06(水)
北九州市立美術館 本館

Thumb mini b1f7d1260b
終了しました

特別企画展
なんだこれは!岡本太郎展

2026/03/20(金) 〜 2026/05/06(水)
鹿児島市立美術館

他の展覧会・イベントを見る

おすすめ記事

RECOMMENDED ARTICLE
Thumb mini 559883e9f9
コラム

久留米市美術館 開館10周年記念展「美の新地平 石橋財団アーティゾン美術館のいま」【学芸員コラム】(その2)

Thumb mini da7b8d0855
コラム

久留米市美術館 開館10周年記念展「美の新地平 石橋財団アーティゾン美術館のいま」【学芸員コラム】(その1)

Thumb mini de9270654b
レポート

【開幕レポート】春季特別展「写真展 星野道夫 悠久の時を旅する」が大野城心のふるさと館でスタート!

Thumb mini 89ec26dbe1
インタビュー

【インタビュー】とにかく僕らは描くこと、表現をすることでしか生きていく術がない。 北村直登展「画家という生業」

Thumb mini 3fea32bffe
コラム

【コラム】小磯良平の美《福岡市美術館特別展より》<上>天才画家 若き日の姿

今週の人気記事

WEEKLY RANKING
特集記事をもっと見る