
キボリノコンノ展 食べたい!木彫りアートの世界
2025/09/13(土) 〜 2025/11/09(日)
09:30 〜 18:00
福岡市科学館 3階企画展示室
2025/10/14 |
|
お菓子や生卵をモチーフに、木彫りで本物そっくりの作品を生み出すアーティスト、キボリノコンノさんの展覧会「キボリノコンノ展 食べたい!木彫りアートの世界」(西日本新聞社など主催)が、福岡市中央区の市科学館で開かれている。じっくり観察しないと見分けがつかないほどリアルな作品は、どのようにして生まれるのか。作者キボリノコンノさんに、狙いや見どころなどを聞いた。(文・写真 佐藤桂一)
―木彫りアーティストになったきっかけは。
「コロナ禍(2021年)に家でできる趣味になればと、最初に作ったのがコーヒー豆です。工作が得意だったし、コーヒーを飲んでいるとき、木で豆を作るとそっくりになりそうだなと思って。最初はSNSに投稿して、いろんな人との交流が増えていくのがすごくうれしかった。今でもそういう気持ちです」
―なぜ木彫りなのか。
「木での創作はリスクが大きい。粘土と違って折れやすく、彫りすぎると形を戻せない。ただそこをうまく使うと、木だからこそできる表現があって面白い。硬いのに柔らかく見えたりとか。それが魅力です」
―溶けかけた氷や生卵などは一部が透明に見える。
「友達の『透明な物を作って』というむちゃぶりがきっかけ。無理だと思ったけど、みんなを驚かせたくて、氷を思いつきました。少し溶けている様子などで時間の経過を表現できたら面白いなと。透明な部分はニスでツヤを出して、最後に絵の具で白いハイライトを描いてるぐらい」
―創作に一番時間がかかった作品は。
「お吸い物です。着想から完成まで1カ月ぐらいかかりました。湯気を描くだけでも、ブラシを30本くらい試しました。化粧用ブラシも買い集めて、どれが一番湯気っぽくなるのかを探しました」
―アイデアの源は。
「みんなが知っているものを題材にします。特に食べることが好きでこだわりが強いので、食べ物の細かい部分まで観察しています」
「子どもからお年寄りまで、幅広く来てほしいし、1人でも楽しめます。これまでの展覧会で、知らない人同士が話していることがありました。『おいしそう』みたいな独り言から、隣の人との会話が生まれる。これが僕が本当に作りたかった世界。作品を間近で見ることでコミュニケーションが生まれるよう、展示棚を低くしたり、作品を触ることができるコーナーを作ったりしています」
―一番のお気に入りは。
「クイズコーナーです。全部で12問。たくさんの煮干しの中から木彫りの煮干しを探すなど、僕のリアルな作品と皆さんとの勝負。全問正解されないように考えているので、すべて正解するのは100人中、1人出るか出ないか。かなり難しいと思います」
―自分でも作ってみたいという人にアドバイスを。
「上手に作ろうと思わないこと。途中で作るのに飽きても、それも個性。角張ったリンゴがあってもかわいいし、目や口を書いてキャラクターにしてもいい。作る楽しさや、自分なりのアイデアを考えて創作するのが一番。そこから可能性が広がると思います」
-福岡にちなんだ作品をつくる可能性は。
「福岡に初めて来たので、いっぱい食べようと思ってます。食べるとアイデアが湧いてくるかも」
▼キボリノコンノ展 食べたい!木彫りアートの世界 11月9日まで、福岡市科学館3階企画展示室。入場料は一般1300円、小・中学生600円、未就学児無料。火曜休館。西日本新聞イベントサービス=092(711)5491(平日9時半~午後5時半)。
=(10月9日付西日本新聞朝刊に掲載)=
◎ARTNEチケットオンラインで当日券 販売中
チケットはこちら
2025/10/18(土)
福岡市美術館 1階 レクチャールーム
2025/08/26(火) 〜 2025/10/19(日)
福岡市美術館
2025/09/09(火) 〜 2025/10/19(日)
下関市立美術館
2025/09/14(日) 〜 2025/10/19(日)
長崎県美術館
2025/10/17(金) 〜 2025/11/16(日)
長崎県美術館