
「手塚治虫 ブラック・ジャック展」福岡会場
2025/04/26(土) 〜 2025/06/22(日)
09:30 〜 18:00
福岡アジア美術館
アルトネ編集部 2025/04/30 |
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手塚治虫が1973年から1978年にかけて『少年チャンピオンコミックス』に連載、連載当初より今日に至るまで、医療マンガの最高傑作として名高い『ブラック・ジャック』(B・J)を大特集した大型展示が、2025年4月26日、福岡アジア美術館で 開幕しました(6⽉22⽇まで)。
本展のみどころは、なんといっても全243話500点以上の原稿を大公開していること。世界的に評価されている名作マンガが、どのような時代背景の中いかにして生まれ、独自の魅力を放っているのか――圧倒的な展示量と、ブラック・ジャック愛溢れる展示解説に導かれ、会場を少しだけレポートしていきたいと思います。
第1室では、B・Jに登場するキャラクターを紹介。無免許の天才外科医・ブラック・ジャックと、彼の助手のピノコをはじめ、Dr. 本間、Dr. キリコらと、個性豊かな面々が象徴的なセリフのシーンとともに紹介されています。
第2室では、「B・J誕生秘話」が、様々な資料類、インタビュー映像といった展示物によって語られています。連載当時を知らない自分が何よりも驚いたのは、連載がはじまるちょうどその頃、かつては栄華を誇った手塚治虫創設の虫プロが倒産という憂き目の真っただ中であったという事実。当時の劇画人気に押され、手塚のマンガ作品が売れない時代、医療を扱う少年コミック・B・Jが懸念されながらも世に誕生し、今に続く人気を勝ち得ているということに、漫画の巨星・手塚治虫たる所以、その凄みを感じさせます。
続くは、マンガ『ブラック・ジャック』の約140話の原稿が並ぶ、圧巻の展示空間(第3室)。運命を変えた幼少期の事故はじめ、B・Jの過去のエピソードを編纂した「B・J遍歴」を冒頭に、「命 vs 金」「私が愛した医師」「人体の神秘」「母なるもの」「ギャグコマ」等のテーマ毎に、各話のエピソードやシーンが紹介されていきます。
第4室は、手塚治虫の最人気作である『ブラック・ジャック』の魅力を今と当時の視点から探るというコーナーです。
連載当初から圧倒的なリアルさをもって観るものを驚かせ、また惹きつけたという、人体の手術シーンを現代アート的な視点から鑑賞する展示、医療従事者からも支持の強いB・J作品を医療の側面から鑑みるコーナー、また、当時の世界情勢や社会問題を扱ったコーナー等、B・J作品の普遍性や真の魅力に深く切り込むような内容になっています。
展示室の最終部分では、企画者と福岡会場主催者が選ぶ3話の「カミカイ」(神回)が紹介されています。
20ぺージ程の読み切りの中で展開される、人生や命、個人の悩みや人を愛するということ……生命を扱う医療マンガであり、手塚治虫だからこそ生みだすことのできた、普遍的かつ壮大な『ブラック・ジャック』という世界。その魅力を圧倒的な愛情で大解剖した本展で、B・Jが名作たる所以、その魅力を再発見しかみしめて欲しいと思います。
手塚治虫 ブラック・ジャック展
会 期: 2025年4⽉26⽇(⼟)〜6⽉22⽇(⽇)
時間・休館: 9:30〜18:00(⼊場は17:00まで)
※⾦・⼟のみ20:00まで(⼊場は19:00まで)
会 場:福岡アジア美術館 福岡市博多区下川端町3-1
主 催:⻄⽇本新聞社、⻄⽇本新聞イベントサービス、KBC、東映
企画協⼒ :⼿塚プロダクション
特別協⼒ :秋⽥書店
福岡会場公式ホームページ:https://kbc.co.jp/event/detail.php?cdid=38500
お問合せ :⻄⽇本新聞イベントサービス 092-711-5491(平⽇9:30〜17:30)
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