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いま出会う 名画が奏でる8つのフーガ③青木繁と坂本繁二郎(全5回)【コラム】

2018/09/04 LINE はてなブックマーク facebook Twitter
青木繁《わだつみのいろこの宮》
1907年、油彩・カンヴァス
重要文化財
石橋財団ブリヂストン美術館蔵

「青木繁と海辺の神話」の章は、水辺の光景と、神話をモチーフにした絵画をテーマにしている。
早世した洋画家青木繁の代表作「わだつみのいろこの宮」(国重要文化財)は山幸彦が海の姫君と出会う場面を描いた。内面から光がにじみ出るような、神々しい美しさに満ちている。一方、青木の盟友、坂本繁二郎の「魚を持ってきた海女」は、一仕事終えた海女がくつろいでパイプを吹かし、どこからか微風が漂ってくるようだ。

坂本繁二郎《魚を持ってきた海女》1913年、油彩・カンヴァス
石橋財団ブリヂストン美術館蔵


2人は同じ1882年、久留米市で生まれ、図画教員だった森三美に師事した。全く同じように育ってもおかしくないはずだが、全く異なる画業を成した2人。「坂本は自分の手の中にあるもの、実際に見たものから、美を見つけ出すことが上手だった。青木の想像力の入り口は、遠くファンタジーの世界にまで開いている」。市美術館の佐々木奈美子学芸員は解説する。

=8月28日西日本新聞筑後版朝刊に掲載=

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