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熊本の現代作家展Ⅳ

高津明美展―火の国を染めて―

日程  2019/02/25(月) 〜 2019/04/06(土)
会場 肥後の里山ギャラリー
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≪ひのくに≫高津明美 熊本県立美術館蔵

肥後の里山ギャラリーで、熊本の今日的な文化の断面を、絵画や工芸等の芸術的な側面から紹介する 「熊本の現代作家展」が開催されます。その独自な仕事で業績を残している在熊作家に焦点をあて、作家と熊本の風土が結合して生み出されていく諸作品を通して、現代に華開いている熊本の芸術を知る機会とするものです。本展はその第4回として、染色工芸家・高津明美の世界が展観されます。 

高津氏の染色工芸家としての活動は、兵庫での学生時代に、溶かした「ろう(蝋)」で防染し図柄を描き出す染色技法「ろうけつ染め」と出会ったことに端を発します。その後帰郷し本格的に染色技術を磨くなかで、ふるさと熊本が創作の大きなテーマとなるのは高津にとって自然な流れでした。とりわけ幼い頃美術教員であった父に連れられスケッチを重ねた阿蘇の山々には特別な思い入れがあり、その後一貫して春夏秋冬の阿蘇の風景を作品化し続ける作家になっていきます。高津が染める阿蘇は、季節・時間によって 様々な表情を見せる野山の景色に加えて、噴煙や野焼き、火振り神事、御田祭りといった阿蘇ならではのシーンを多く描き出し、ダイナミックな構図と大胆かつ繊細な描線によって雄大な自然のイメージをまっすぐに再現します。さらには染色特有の美しい発色を駆使して、活火山の秘めたるエネルギーを連想させる赤や爽やかな初夏の風を写しだす青、山峰の神々しさを象徴するグレーといった色彩を画面一杯に配色し、「火の国」熊本を顕現するに相応しい印象を見る者に与えるのです。また近年では、かつて天草諸島で広まったといわれる「天草更紗」に創作の幅を広げ、多岐にわたった活動をしていることでも注目されています。

本展は、その郷土愛につつまれた創作活動を昭和50年代の初期作品から新作まで多数の作品で回顧し、染色という技法を通して熊本と向き合い続ける作家の表現に迫るものです。 

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