日程
2017/10/14(土) 〜 2017/11/26(日)
会場 九州国立博物館 |
鉄砲伝来(1543年または1542年)から鎖国の完成(1639年)まで、この安土桃山時代を中心とする100年ほどの間に、日本は初めて本格的にヨーロッパの文化に接触した。これはわが国が従来の伝統とはまったく異なる文化を生み出す契機になったという点で、歴史的に極めて大きな意義を持っている。本展は、この時期の美術を、文化交流の様相に注目した新視点から紹介する。
当時、鉄砲とキリスト教などに象徴される西洋文化をもたらしたポルトガルやスペインなどの人々は、しばしば中国に派遣された外交使節や私的な交易を行った倭寇の船に乗り日本に到着している。また室町時代末期から江戸時代初期までの約一世紀に、日本は、西洋や中国だけでなく、朝鮮や東南アジアなどの地域とも幅広い外交を行ない、文化の面でも積極的な交流を繰り広げた。
このような東アジア海域交流の歴史を踏まえ、本展覧会では、織田信長と豊臣秀吉、徳川家康という異なる外交政策をとった天下人を3つの章の案内役にすえ、文化交流の歴史を美術の観点から紹介する。加えて、各章で、武将の城郭を飾った豪華な襖絵や屏風絵など、当時を代表する絵師たちの名画を同時に展示。天下人のもと、狩野永徳や長谷川等伯などの巨匠が華やかに時代を彩った絢爛たる絵画を楽しむことができる。
さらに最終章「特別公開」では、大航海時代に日本の屏風絵が数多く海を渡ったことに注目。今日、それらの屏風絵は現存しないが、スペイン領メキシコや中国のマカオでは、かつて日本絵画に学んだ油彩画の屏風(ビオンボ)が盛んに描かれていた。本章では欧米の所蔵者から日本初公開となる作品を借用し、近世初期に日本絵画が海外の美術に与えた影響の軌跡を紹介する。
九州国立博物館が満を持して贈る「大航海時代」をテーマとする大規模な展覧会。エネルギーに満ちあふれた桃山美術の数々を楽しむとともに、グローバル化する社会の中で世界に誇るべき日本文化の豊かさを見てほしい。
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