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美術館・博物館で味わうvol.1 県立美術館 喫茶室 自然と歴史が息づく自由空間 サイフォンで淹れたコーヒーで自分にかえるひと時を

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アルトネ編集部
2025/10/30
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美術館の魅力は展示だけにあらず――日常を忘れてゆったりしたときを過ごすのも美術館・博物館ならではの楽しみ方。
ミュージアム・カフェに注目した企画の第1回目は、福岡県立美術館の1階にある「県立美術館 喫茶室」を紹介します。
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 正面玄関を入ってすぐ左側、絵筆を手に、ベレー帽を被ったすずめさんの看板の先にあるのが、その名もずばり「県立美術館 喫茶室」です。

入口の本棚には、福岡出身の文学者・夢野久作コーナーや、展覧会、コンサート、文学活動等のフライヤーが並ぶ。まるで文化部の部室のような雰囲気

 福岡における新旧の文化活動をさげなく紹介する入口を抜けると、そこに拡がるのは2面の窓いっぱいの緑豊かな風景。福岡・天神という都心にありながら、静かで穏やかな時間が流れています。

そして、嗅覚を刺激するのはコーヒーと甘い香り。

高い天井に大きな窓! 四季それぞれの表情をみせる明るい店内では、かつて九州大学箱崎キャンパスで使われていた什器が再活用されている。自然と歴史が調和する落ち着いた雰囲気の店内

 早速、看板メニューのひとつをご紹介させていただきましょう。

アップルパイ セット 1,100円 ※単品の注文も可
サイフォンで淹れたコーヒーと、フレッシュなバター、甘さ控えめのカスタードクリーム、煮りんごの酸味がベストマッチするアップルパイ

 「喫茶店業を40年以上続けていますが、コーヒーが大好きで、それを楽しんでいただけるような場所をずっと夢に見ていました。コーヒーと一緒に一息つけるものとして、美味しいパンを提供したいと思っていたところ、天然酵母を使った石窯で知られる老舗のパン屋「シモン」さん(中央区港)のアップルパイに出会い、届けていただいています。」(店主・花田典子さん)

「特別なことは何もしていない」と微笑まれながら、炎の強さや混ぜ方によってがらりと味が変わるというサイフォンの魅力を教えてくださる店主・花田さん。
サイフォン歴は40年以上

  お母さまとふたりで自宅の一部を喫茶店としてスタートしてから、箱崎という場で喫茶店業を続けてこられたという花田さんが、この場所で営業を始められたのは意外にも最近の2022年1月からとのこと。

 「私にとってこの場所は、思い出の場所なんです。小学生の時にツタンカーメン展(1965年)を観たこと、中学生の時にはこの場所にあった図書館に通い、勉強もしていました。須崎公園の野外音楽堂の自由な雰囲気も、樹木が茂る森のような環境も大好きでした。髙島野十郎展(2015年)に来たときに、この場の存在を知り、こんなところで喫茶室をやれたらなぁと、母と話したこともあったんです。」

 この場における3年を越える日々の営業と、それ以前からの想いや土地の歴史の厚み――なにげなく置かれているもの一つひとつに物語があり、人や場を介し、新しい縁がつながれていく。店内には、様々なかたちの出会いや可能性の種が散りばめられています。

これまでの県立美術館の歩みを紹介する展覧会図録や美術関連書籍のほか、中村哲氏(医師・ペシャワール会現地代表)、杉山龍丸氏(インド緑化の父/夢野久作の長男)、滝沢克己氏(哲学者・元九州大学哲学科教授)等、福岡にゆかりの深い人々の活動が書籍や資料を通して紹介されている
花田さん自身も大好きだという作家・夢野久作の10代の頃の夢は画家であったそう。店内では、夢野久作コーナーやグッズの販売だけでなく、久作14歳の頃の素描(複製)の展示・販売も行っている
今はなき野外音楽堂の精神を引き継ぐべく、コンサート「須崎のすずめ音楽堂」を定期的に開催。知人を通してお預かりしているというヤマハ製ビンテージピアノは、県庁勤務後、東京藝術大学の助教・教授を歴任したインダストリアルデザイナー小池岩太郎氏設計の「G2B」

「人と人をつなげるアートはもちろん、音楽や文学と色々なジャンルが集まり、いろんな生き物(鳥や犬、小動物や植物)が一緒の場所で、それぞれに好きな時間を過ごすことができるような…野外音楽堂があった公園のような場でありたいと思っています。そして、何よりも、日々色々なことがある中で、気持ちを落ち着つかせる場所、きつい時にも来て、気持ちをリセットできるような場でありたいと願っています。」

マスコットや主催イベントのチラシを手掛けるのは店主の娘さんでもあるイラストレーター・ハナダマリコさん。「緑に囲まれた場所なので、身近な鳥であるすずめがいい!と思いました。誰でも気軽に立ち寄ることのできる場所にしたいという想いも込められています」(花田さん)

 現在は、同美術館で開催中の「髙島野十郎展」にちなんで、初めてコラボメニューに挑戦されているそう。作品背景×ヴィジュアル×味×言葉の「つながり」が楽しいコラボレーション、ぜひこの機会に堪能ください。

ポストカード付のセットメニュー(ドリンク付)は、「闇月(やみつき)ガトーショコラ」「キャンドル・マカロン」「からすうりのマカロン」の3種 各種1,500円
提供期間:~12/14  ※各日なくなり次第終了
菜の花と白い蝶のクリームソーダ 850円

                                           ※価格はすべて税込

県立美術館 喫茶室
営業時間:12:00~17:00
定 休 日 :月・火曜(月曜が休日の場合は営業し、火・水曜がお休みとなります) 
       年末年始(12/28~1/14)
     美術館の休館・閉館日に準じます
問い合わせ: TEL 090-9489-7444

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