江口寿史展
EGUCHI in ASIA
2024/11/09(土) 〜 2025/01/12(日)
福岡アジア美術館
大迫章代 2019/04/08 |
福岡市博物館で3月15日より開催中の『ジブリの大博覧会~ナウシカからマーニーまで~』。開会前日に行われた内覧会と、開会式のために来福した、スタジオジブリのプロデューサー、鈴木敏夫氏の囲み取材の模様をレポート。
「この企画は、映画を作って皆さんに見ていただく、その前の段階にある“宣伝”という視点から、ジブリ作品を紹介する展示です。みなさんの中に点と点のように残っているジブリ作品の記憶を、つなぐような展示になればと思い作りました。スタジオジブリ30年の歩みを総括する展示会の顔として選んだのは、ジブリ作品第1作目の『風の谷のナウシカ』の公開当時のポスタービジュアルです。当時大人気だった「スター・ウォーズ」を意識して作ったものなのですが、ヒロインのバックに描かれている王蟲を見ながら、30年目の今年、福岡会場で「『風の谷のナウシカ』王蟲(おうむ)の世界」」を行うことになったのも、何かの縁かなと思っています。私も先ほど展示を見たばかりですが、あまりの迫力と精巧さに、他の展示の影が薄くなってしまうのではと思ったほど(笑)。ちなみに、王蟲が住む腐海のモデルは、鹿児島の屋久島です。30年目の今年、おなじ九州の福岡で「ジブリの大博覧会」を開催できることをうれしく思っています。」
開会式後には囲み取材が行われた。
Q ジブリ作品第1作目となった「風の谷のナウシカ」への思いや、思い出は?
「当時、勤めていたアニメ雑誌『アニメージュ』に連載していた原作を、「自分たちで映画にできたら」と考えたのが、「風の谷のナウシカ」誕生のきっかけです。宮崎駿(監督)との長い付き合いの始まりとなった作品ですから、僕にも特別な作品です。ついでに申し上げますと、これを作った後、監督は「二度と映画を作らない」と言いました。監督として映画を作るためには、手伝ってくれる知人や友人に嫌なことも言わなければならない。映画作りは彼にとって、友だちを失う作業でもあったわけです。」
Q これからのアニメ業界とジブリについて
「アニメ業界のことはあまりよく分からないのですが、手法に関して言えば、手書きのアニメーションは減って、コンピューターグラフィックスが主流になってくると思います。そんな中で、どんな企画をやっていくかをジブリは考えています。かつては、世界中、その国ごとに違う問題や描くべきテーマがありましたが、現在は世界の問題が1つになっていると思うのです。その問題を解決するために、何をやっていくか、それが今後の企画のテーマになっていくのではないかと思います。」
Q ジブリの30年という節目を経て、今後のジブリの展望は?
「振り返ると、平成は女性が大きく変わった“女性の時代”ではないかと思います。だからこそ、これからは男の子(少年)の物語を作りたいと思っています。今、宮崎監督が作っているのも、男の子が主人公の作品です。これまでジブリ作品のヒロインは、ほとんどが女性なので、ファンに納得いただけるかは心配ですが(笑)」。
Q 「ジブリの大博覧会」は各地で開催されているが、各地を巡回し鈴木さんが思うことは?
ジブリ人気のすごさに驚いています(笑)。スタジオジブリは、宮崎駿と僕の2人で作ったものですが、ジブリ作品の人気に、僕らが支配されているようなところがあるのです。その影響力から、いかに脱却するかが今後の課題です(笑)」。
個人的にも福岡が大好きだという鈴木プロデューサー。質疑応答でも答えていたように、作り手の意図を超えて、ジブリ人気は高まる一方。今回の大博覧会も、「見る人それぞれがどう自由に楽しんでくれるか、その想像を超える反応に期待している」と語ってくれた。
多彩なジブリグッズや、本会場から新登場の「王蟲」のフィギュアなど、ついつい財布の紐が緩みそうなグッズショップまで、見どころが満載の『ジブリの大博覧会』。友だちや家族を誘って、早めに出かけよう。
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福岡アジア美術館
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