江口寿史展
EGUCHI in ASIA
2024/11/09(土) 〜 2025/01/12(日)
福岡アジア美術館
秋吉真由美 2021/04/02 |
8月31日に閉館するイムズと三菱地所アルティアム。写真家の梅佳代さんと川島小鳥さんが福岡・天神の街や人を撮影した展覧会「TENJIN MATSURI 梅佳代『天神さま』 川島小鳥『ピンクの光線』」が、イムズ地下2階のイムズプラザ、同8階の三菱地所アルティアムの2会場で開催中です。
写真集『うめめ』(2006)で第32回木村伊兵衛写真賞を受賞し、写真集『男子』(2007)や『じいちゃんさま』(2008)、『白い犬』(2016)など、思わずクスッと笑ってしまう瞬間を逃さずとらえる梅佳代さん。佐渡島の女の子の1年間を追った写真集『未来ちゃん』(2011)、第40回木村伊兵衛写真賞を受賞した『明星』(2014)など、被写体に向ける優しさがあふれる作品を生む川島小鳥さん。アートディレクターは、これまで2人の写真集などを手がけた祖父江慎さんが務め、それぞれのカラーが心地よく溶け込んだ会場に仕上がっています。
地下2階のイムズプラザでは、吹き抜けの空間をダイナミックに使って作品を展示。2人それぞれの視点や撮影中のエピソードなど、2人のコメントや撮影している様子もあわせて紹介しています。
続いて、三菱地所アルティアム会場。梅さんの作品は、被写体が書いたメッセージ付き。
そのメッセージは、「あそびたい!」という公園で遊ぶ子どもたちのまさに“今”の気持ちだったり、イムズスタッフの感謝の気持ちだったり。
写真とメッセージのギャップも面白く、きっと笑いながら撮影が行われたんだろうと想像に難くない、梅さんらしさ全開の写真が並んでいます。
西鉄バスが走っていて、イムズをはじめとする商業施設が並んだ見慣れた福岡・天神の街並み。だが、川島さんのフレームを通すと、どこか新鮮で「ここどこだろう? あ、あそこか」といつもの見え方と違う印象の場所があるよう。
撮影開始当初は、「住んでみたい」と不動産屋を巡り、物件を内見していたという川島さん。福岡に住む人と同じ目線で撮影に挑んだ、その距離感が現れた作品ばかりです。
2人の違った個性が生き生きと、そして溶け込むように飾られた2人展。約290点の作品一枚一枚にストーリーがある、とても温かくみずみずしい空間です。どうぞお見逃しなく。
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