ムーミンコミックス展
2021/05/15(土) 〜 2021/07/11(日)
10:00 〜 18:00
福岡県立美術館
秋吉真由美 2021/05/31 |
のどかなムーミン谷で暮らす、愛くるしい仲間たちが織り成す世界。ちょっとのぞいてみませんか? ――福岡県立美術館(福岡市中央区)で「ムーミンコミックス展」が開催されています。
©Moomin Characters™
フィンランド生まれのムーミン童話原作者トーベ・ヤンソン(1914~2001)と弟のラルス・ヤンソン(1926~2000)が手掛けた漫画「ムーミンコミックス」。トーベによるキャラクター設定のドローイングやスケッチ、ラルスによる原画など、日本初公開となる約280点が展示されています。
20年以上愛されたムーミンコミックス
ムーミンコミックスは、1947年から2 年間、フィンランドの「NyTid(ニィ・ティド)」紙に『ムーミントロールと地球の終わり』が掲載されたことが始まりです。その後、1954年からイギリスの夕刊紙「イブニング・ニューズ」に20年以上にわたって連載されました。
21年間、イブニング・ニューズでは73話が掲載されました。第1話から、各話の最初のコマは、決まってムーミンのまんまるなお尻から始まっていたとのこと。会場では、可愛いまるいお尻を向けたムーミンが迎えてくれます。
主に、ムーミン童話の原作者であるトーベが絵とセリフを、弟のラルスがあらすじのアイデア提供や英訳などを担当し、共同で制作。1960年からはラルスが引き継ぎ、15年間にわたり単独で執筆を行いました。
ラルスは、15歳で冒険小説を初出版しており、小説家として活動する傍らでトーベの連載をサポートしてきたのだそう。また、日本制作のアニメーション(1990年放映版)の監修にもトーベと共に携わっています。
日本で書籍化されていないラルスの作品も
姉弟が作り上げたムーミンコミックス。イブニング・ニューズ紙の連載はイギリスのほか、スウェーデンやデンマーク、フィンランドなど、ピーク時には40カ国を超える120紙に転載され、瞬く間に世界中にファンを獲得します。その人気は、ムーミン童話の児童文学シリーズの世界各国での翻訳出版につながります。
何度も書き直された鉛筆線の跡がしっかり残ったスケッチは、ものづくりの過程が感じられるようで興味深いです。トーベ、ラルスともに、コマ割りの枠線が電話線やペン、ハンモックをつるした木だったりと、モチーフをコマ割りの枠線にする、2人の楽しい手法にも注目です。
また、キャラクターの区別のため、新聞社が提案してムーミンママがエプロンを着用することになったことなど、キャラクター設定のエピソードなどもスケッチとともに紹介されています。
トーベから引き継いだラルスが単独で手がけたのは52作品。会場では、そのうち4作品の原画を展示しています。さらに、そのうち3作品は日本では書籍化されておらず、見られるのが貴重な機会となっています。
トーベとラルスが大切に続けたムーミンコミックス。アニメとはまた違う、ムーミンたちの生き生きした表情が描かれたスケッチや原画は必見です。
会場では、グッズ売り場も併設しています。
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