江口寿史展
EGUCHI in ASIA
2024/11/09(土) 〜 2025/01/12(日)
福岡アジア美術館
秋吉真由美 2022/04/19 |
20世紀最高の物理学者と称され、舌を出したチャーミングな写真が印象的なアルバート・アインシュタイン(1879年~1955年)。20世紀前半に「相対性理論」や「ブラウン運動」などを提唱し、「光電効果」の理論的解明によって1921年度のノーベル物理学賞を受賞しました。その受賞100年を記念して、福岡市科学館(福岡市中央区)では現在、ノーベル賞受賞100年記念「アインシュタイン展」が開催されています。
アインシュタインのキャラクターに迫る!
第1章では、アインシュタインの人物像に迫ります。話すのが苦手で、大人しい子どもだったという幼少期。バカバカしいと思ったことはさぼってしまうという生意気な青年期。妻と出会った大学時代。天才と呼ばれるアインシュタインですが、子どもの頃の様子にどこか親近感がわきます。
科学に興味を持つきっかけとなったコンパスや、生涯のお気に入りだったという知恵の輪のルーツ「チャイニーズリング」などを展示しています。
大学を卒業したアインシュタインは、1902年にスイスの特許局に就職。研究者ではなく、特許局の職員として働いていた26歳の時、「原子の存在の照明」「光量子仮設」「特殊相対性理論」の3大論文を発表します。
43日間で日本縦断、福岡ではドジョウすくいに爆笑!?
1年で3つの論文を発表し、「奇跡の年」と呼ばれた1905年。それから17年後の1922年11月、ノーベル賞を受賞します。
実は、受賞の連絡を受けたのはなんと日本に向かう船の上。神戸港に到着し、1カ月半にわたって日本を縦断します。受賞のタイミングと重なり、日本各地で温かい歓迎を受け、講演会を開くなど、日本人と交流しました。
しかも、当初の予定を変更して滞在を延長、福岡へと足を延ばしたアインシュタイン。福岡市内の大博劇場で講演会を行ったほか、門司で開かれた歓迎会ではドジョウすくいに大笑い、バイオリン演奏も披露したそうです。日本での43日間にわたる過酷なスケジュールに、思わず「死ぬほど疲れた」と言ったとか。
会場では、雑誌「改造」(1923年1月号)に寄稿した「私の日本旅行雑感」の直筆草稿も展示しています。
アインシュタインの科学理論を遊んで体験!
第2章では、「ブラウン運動」「光電効果」「特殊相対性理論」「一般相対性理論」の4つの理論が遊びながら体験できるコーナーが盛りだくさん。
ルーレットが止まったマスに進みゴールを目指す、ブラウン運動に基づいた「光のランダムウォーク」や、光のボールを的に当てる「光の粒で電子を飛ばそう!」、一般相対性理論の重力とは時空の曲がりであることを体験する「天体になって宇宙を歩こう」など、子どもも大人も一緒に体験できます。
「爆弾解除!光速サイクリング」では、光速に近いスピードの自転車に乗って「特殊相対性理論」を体験。1年後に爆発する爆弾を解除するため、光の速さでも2年かかる星を目指します。
アインシュタインの願った平和
第3章は、アインシュタインの予想を超えた最先端の研究や彼の平和活動について紹介します。
ユダヤ人のアインシュタインは1933年、訪米中にナチス政権の樹立を知り、そのままアメリカに亡命します。1939年、ナチスによる原子爆弾の製造を恐れたアインシュタインは、当時のアメリカのルーズベルト大統領に原子爆弾の開発を勧める手紙を送ります。
しかし、広島と長崎への原爆投下の悲劇をニュースで知り、生涯そのことを悔やんでいたと言われています。アインシュタインは、第二次世界大戦が終結した1945年に教授職を退任。晩年は平和主義者として活動しました。
「特殊な才能はない。熱狂的な好奇心があるだけだ」「科学の発見のプロセスは、不思議に思ったことを突き詰めていくこと」など、会場ではアインシュタインの言葉も併せて展示されています。日常生活にも通じるヒントになりそうな言葉も。
子どもも大人も遊びながら、“天才”と呼ばれるアインシュタインの頭の中をちょっとだけのぞく感覚で、ぜひ楽しんでみてください。
ペコちゃんとのコラボグッズも!
併設するグッズ売り場では、展覧会オリジナルグッズを販売中です。
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福岡市科学館で開催中のノーベル賞受賞100年記念「アインシュタイン展」。開催は5月29日までです。どうぞお見逃しなく。
ノーベル賞受賞100年記念「アインシュタイン展」の公式サイトはこちら
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