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【ARTNEコラム|Social】リベルテ(田舎の小さな映画館)が元気に存在できている理由

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アルトネ編集部
2017/04/17
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ARTNE(アルトネ)では、九州・山口各地に目を向け、アート関連の読み物を届ける。そのコーナーのひとつ【Social】は、アートと社会、その交差点でどんなことが起こっているのか考えるコラム。社会、地域やコミュニティとアートにかかわる取り組みを紹介する。

初回にスポットを当てるのは大分県日田市の映画館日田シネマテーク・リベルテ。映画、工芸、絵本、アート、音楽、コーヒー…そして人。コミュニティにとって大切なものがそこにはある。その歩みと取り組みについて、映画館主の原茂樹氏に寄稿いただいた。(編集部)

大分県に日田市という歴史情緒溢れる小さな町がある。そこにある映画館日田シネマテーク・リベルテという映画館を引き継いで8年目になる。引き継いだ頃は、全国的にもまだ35mmフィルム映写機での映画上映が基本だったが、すぐにデジタル化される事も分かっていた。しかも全国的に映画館の経営破綻が進み、人口10万人以下の町の映画館は壊滅状態。果たして、経営もした事のない自分に何が出来るのかと自問の日々。しかし、どこかで誰かが覚悟をしないと、確実に町から映画館が消えてしまう。”人生一度きり”そう思って、この事業を引き受けた。

とはいえ、暗中模索とはこのこと。何をどうすれば良いのか見当もつかない。そこで、(今までの良さは見極めながら残すが)固定概念は出来る限り外し、単純に楽しい空間を作ることにした。

『赤い風船』宣伝ポスター

そこで、最初の上映作品を『赤い風船』という1956年のフランス映画に決めた。日本では、画家・いわさきちひろが切望してこの作品の絵本を描いた。映画と絵本も近い関係だと感じていた僕は、この作品の上映に合わせ、谷口智則という若手絵本作家の作品「サルくんとお月さま」の映画館での取扱いをお願いした。日田は陶芸の町だという想いも表現できたらと思い、バーナード・リーチが惚れた小鹿田焼と、ルーシー・リーのような三笘修のうつわも仲間入りすることで、今日田から生み出されるものの素晴らしさも加わった。さらに以前音楽活動をしていたので、様々な音楽も取り入れた。しかし、どれもただ存在するだけでは、なかなか受け取ってもらえない。そこで、それら映画・絵本・陶芸・音楽を繋ぐ為のサロンが必要になった。それからは、このサロンに集まる方々との交流から、いろんな分野というより直接”人”へと繋がり始めた。そうしているうちに7年が過ぎ、今では物書きや大学講師、キュレーターや編集まで依頼されるようになった。最初はなぜ映画館主に?と思いがけない感覚だったが、今では全て必然なことだと感じている。

左:谷口智則「サルくんとお月さま」
右:三笘修のうつわ

そうやって、リベルテの活動はいつもこのサロンから生まれている。誰かと想いを共有しながら、その想いが形になってゆく。そして大切な事は、映画を観た後は本当の想いを打ち明けたくなるということ。そしてそこにいつも想いを受け止めるサロンがあるということ。だから、映画はリベルテの心臓。ドクンドクンと毎日脈打って、この日常の原動力になっている。やっぱり映画はいつでも素晴らしいのだ。これからもこの地に映画館が存続できるよう、祈るような気持ちで毎日を大切に過ごしていきたい。出来る限り、楽しみながら。

 

原 茂樹(はら・しげき)

日田市出身。日田の映画館リベルテ代表。ヤブクグリ広報係。映写技師でもある。映画を中心に人が集うサロンを作り、カフェ、ショップ、ギャラリー、ライブなど運営・企画している。今では大学講師やコラムなども連載している。いろんな入り口からどうぞ。

日田シネマテーク・リベルテ

〒877−0016 大分県日田市三本松2-6-25 TEL&FAX:0973−24−7534 http://www.hita-liberte.com

 

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