江口寿史展
EGUCHI in ASIA
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福岡アジア美術館
アルトネ編集部 2018/05/18 |
活躍目覚ましい佐賀大出身の女性画家2人が、佐賀市の佐賀県立博物館隣にある岡田三郎助アトリエで滞在制作中だ。対照的な画風の仁戸田(にえだ)典子さん(32)=大分市=と鶴友那(ゆうな)さん(30)=佐賀市=は互いに刺激を受けながら、岡田アトリエならではの作品を描いている。
佐賀出身の岡田三郎助(1869~1939)は近代を代表する洋画家で、女性の絵画教育に力を入れたことでも知られる。東京の自宅に隣接するアトリエと女子洋画研究所が佐賀に移築されたのを記念する滞在制作が企画され、精密な写実絵画が魅力の小木曽誠・佐賀大准教授(42)の教え子2人に声が掛かった。
鶴さんは、恩師を彷彿(ほうふつ)とさせる描写が持ち味で、自然の中にたたずむ女性や草花を描く。画家クリムトに憧れ、「装飾性と光をテーマに平面と立体を一つの画面で表現したい」と話す。
作品の一つは、岡田が妻を描いた代表作「支那(しな)絹の前」のオマージュで、古めかしい布を背景に着物姿の女性を描いている。「奥さんの肌の色が好きなんです」と鶴さんは話す。2016年に写実絵画の公募展「ホキ美術館大賞展」で大賞を受賞し、注目度が上がった。クリムトの絵に特有のエロスを感じるといい、「賞を気にせず、私にしか描けない絵を模索していきたい」と語る。
鶴さんの1年先輩、仁戸田さんはかわいらしさと不気味さを合わせ持つ空想の生き物を描く。不可思議で独創的な世界観は、好きだという15世紀の画家ボッスの作風を想起させる。「生きている時代の時間を考察し、その流れや空気感を残したい」。作品には岡田アトリエの窓枠の、温かみのある緑色を取り入れる。
佐賀大の大学院生だった2010年、「若手画家の登竜門」とも言われる昭和会展の昭和会賞を受賞した。その4年前には小木曽さんも選ばれた賞だ。仁戸田さんは「妥協せず、もう描けませんというところまで挑戦できた」と振り返る。この苦労があったからこそ、画家としての今がある。
2人とも滞在制作は初めて。佐賀市の「画廊憩(やすら)ひ」では20日まで2人展を開いている。「彼女は自分にないものを持っているので刺激になる」と2人は口をそろえる。岡田アトリエでの経験が今後どう生かされるのか注目したい。
滞在制作(不定期)は20日まで。見学無料。佐賀県立美術館=0952(24)3947。 (野村大輔)=5月11日西日本新聞朝刊に掲載=
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